考え方

読書

「経営の神様」といわれた松下幸之助氏。「新・経営の神様」と呼ばれている稲盛和夫氏。

共通する言葉があります。

それは、「宗教」そして「中村天風」です。

今回は、「考え方」を著した稲盛和夫氏。言わずと知れた日本を代表する経営者です。

京都セラミック株式会社(現・京セラ)、第二電電(現・KDDI)の創業者であり、経営破綻に陥った日本航空(JAL)を僅か2年8か月で再上場へと導きました。

日本航空社長を就任したときには、「一国は一人を以て栄え、一人を以て滅ぶ」の思想哲学を掲げ、立派なリーダーは、自分たちの組織の目的を明確にし、さらにその目的に向かうための価値観を部下と共有し集団を引っ張っていく、という信念のもと、再建への道を歩みはじめました。

著書では、経営を通して「人として正しいことをする」「人生で大事なもの」を語りかけます。

成功するためには、善き「考え方」を持ち、「他力の風」を味方にする。そして、もう一つあります。

三つに分けて紹介していきたいと思います。

人生を幸せに導く一つの鍵

人は誰でも、人生のなかで一度や二度、苦しい境遇にであったり困難にも直面します。

そのとき、どのような判断をして困難に立ち向かっていくのか?

また、どの方向へと歩んで行くのか?

それらはすべて、常日頃からの「考え方」から導き出されていきます。

そして、その導きだされ判断した蓄積が「今」ということになります。

では、常日頃から持ち続ける考え方は、どのように抱いていたらいいのでしょうか?

「人間として正しいことを正しいままに貫く」とは、どういうことでしょうか?

人間は、決して正しく強いものではありません。人間とは、弱いものです。

環境に負け、欲望に負け、心が乱れ、人の道に反することを平気でするのも人間です。

と、認めたうえで、何かに迷ったときに判断の基準となる正しい「考え方」を持つことが大切です。

そのためには、自分だけよければよいという利己的な心や感情に突き動かされた行動は絶対にしない。

そのような悪しき考え方を積むことなく、自分の行いが人のために繋がる正しき道を求めていく。

感 謝

稲盛氏は、臨済宗妙心寺派の僧として得度されています。

今でも一日に何十回となく、幼いときに教わった感謝の言葉を口にされているそうです。

洗面をしているとき、幸せに感じているとき、「ナンマンナンマン アリガトウ」という感謝の言葉が口をついて出てくるそうです。

しかし、一日に何十回となくというのは、本当にすごいことだと思います。

こうした思想が、経営哲学のベースとなっているのだと思います。

そして、「どんな境遇にあろうとも、愚痴や不平不満を漏らさず、常に生きていること、いや生かされていることに感謝する。

そのようにして幸せを感じる心を養うことによって、人生を豊かで潤いのある素晴らしいものに変えていくことができる。」と、説かれます。

もう一つの人智を超えた「他力」

言葉で変わるなど信じられないかもしれないが、私は、善き「考え方」を持つことで、人生を好転させてきたといいます。

そして、この善き「考え方」は、一人ひとりが意識を変え持つことで、個人を超えて、組織の運命さえも変えてしまう力を持っているということを、日本航空再生を例にあげていわれています。

全社員に「真面目に一生懸命仕事に打ち込む」こと、「感謝の心を持つ」こと、「常に謙虚に素直な心を持つ」ことといった、人間の「徳」に基づいた善き「考え方」を持つことの大切さを伝え続けました。

すると社員一人ひとりの行動が大きく変化していきました。

行動の変化がみえた、すごいことです。

社長が言うからそうしようとか、まあやってみようとか、そういった軽い気持ちでは、「お客さまのため」「仲間のため」には絶対に伝わらず、受け取られなかったでしょう。

再建には、そうした努力ともう一つの大きな人智を超えた「他力」があった。

そして、その「他力」を引き寄せる力は、日頃の善き「考え方」にあります。

繋がるツタの葉

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