「今、ここ」にある 幸福

読書

著者は、『嫌われる勇気』(古賀史健氏との共著)を著された岸見一郎氏。

この本を読んで感じたことは、人がこの世に生を受けて、さまざまな出来事に遭遇しながら歩んでいく道中での対処の仕方、また進むべき人生の指針、人生の目的となる言葉のかずかずは、非常に宗教的であるということです。

ベースとなっている思想は、新しい理論に基づいた「アドラー心理学」

最終的な目標を「人を救け」、「他者への貢献」におく、また日々の歩みを大切に丁寧に生きることに重点をおく。

大いなる共通点があります。

三つに分けて紹介していきたいと思います。

今の幸せをみつめる

人は、悩みや苦しみ、そうしたことから開放されて幸福に「なる」のではなく、幸せは、今の状況や経験には関係なく、いま幸福で「ある」ということをすべて受け入れ、見つめることで得られるといいます。

『幸福に「なる」のではなく、幸福で「ある」のです。』

今を受け入れることが幸福である、実にシンプルです。

高望みをすることもなく、然りとて悲観することもありません。

誰かの責任に転嫁することもなく、今をいまとしてありのままに受け入れる。今が幸福である。

たとえお金や名誉、地位など全て失っても、私は「ある」ものだから、失われることはないと考えます。

しかし、その考えを受け入れるためには、3つのルールがあります。

・他の人にどう思われるかを気にしない

 常に人に嫌われることなく好かれたいと考えて生きるのは、無理です。

 そして不自由で仕方ありません。そこからは、自分の人生は生きられないでしょう。

・理想の自分を見ない、理想の他者を見ない。

 私たちは、自分や他人を見るとき、「自分にとっての理想像」をつくり、そこから引き算をしてしまいます。

 そんな理想像をもたない、描かない。

・「もしも○○ならば」というような可能性に賭けない。

 逆に言えば、○○が実現したら幸せになれる。

 実現しなかったら不幸せ、そのような考え方はしない。

たしかに無意識のうちに陥りがちな癖の3つであります。

言葉では簡単に3つでありますが、これを自分のものにするには、大いなる勇気と決断が必要です。

今日一日のためだけに生きる

そのためには、毎日を丁寧に生ききる。

そして、他者との違いに自分の価値を見いだすのではなく、ありのままの自分に価値を見いだす。

誰でも、とかく人と比べたがりです。

人と比べて、少しの安心感を持ったり、優越感を感じたりしたがりです。

でも、そんなことは生きていくうえで何の役にも立ちません。

他者に揺り動かされることなく、自分の人生を豊かにする方法は、人それぞれであり、幾筋もの道筋があるのかも知れません。

そのためには、やはりここでも読書が必要であるといいます。

これは著者だけでなく、多くの成功者の共通した意見です。

読書は、気楽な気晴らしにはなりません。

しっかりと読み込まなければいけません。

でも本を読めば他の人の追体験をすることができます。

そして、自分自身の人生を見直すきっかけにもなり、本を手がかりに、これからの人生をどう生きるべきかを考えていくことができます。

何のために生きているのか?

それは、他者への貢献であるといいます。

人を救けることです。

そうはいっても自分自身だんだんと老いていき、貢献することができなくなったら?と考えるかもしれません。

そのときは、人の価値を「行為」ではなく「存在」の面で見ることです。

家族や親しい人が病気になったとき、その人が病気で何もできなくなっても、生きているだけでいい、生きてさえいてくれればと願うものです。

特別なことはできない。しかし他の人に、たしかに貢献しているのです。

「生きているだけで自分には価値がある。」そう思えれば、老いや病気にも立ち向かっていけます。

アルフレッド・アドラー名言

自分だけでなく、仲間の利益を大切にすること。受け取るよりも多く、相手に与えること。

幸福になる唯一の道である。

繋がるツタの葉

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